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レンブラントとイタリア・ルネサンス (叢書・ウニベルシタス)

, ケネス クラーク

によって ケネス クラーク
4.1 5つ星のうち 1 人の読者
ファイルサイズ : 22.95 MB
内容(「BOOK」データベースより)レオナルドとならび称されるヨーロッパ絵画史上最大の画家・レンブラントが、ルネサンス美術との熾烈な格闘を通じて、いかに古典の伝統と深くかかわっていたかを200点におよぶ作品の詳細な解説によって具体的に説き明かし、時代を超えた芸術創造の源泉をさぐる。内容(「MARC」データベースより)ヨーロッパ絵画最大の画家、レンブラントが古典の伝統を継承し、一種普遍性をそなえたイタリア・ルネサンス美術研究によってヨーロッパを代表する芸術家を極める様を、200点におよぶ作品の詳細な解説によって具体的に説き明かす。
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レンブラントの傑作《夜警》が、実はとても“ルネサンス的”である…と言ったら、驚く方も多いのではなかろうか。何しろレンブラントと言えば、オランダを代表するバロック絵画の巨匠である。即ち、イタリア・ルネサンスとは時代も違えば国も違う、それどころかレンブラントがイタリアに修行に行った等という記録もなく、一見、両者には共通点が見出せないのだ。だが、本書の著者、ケネス・クラーク氏は言う…レンブラントはイタリア・ルネサンス美術を深く理解し、計り知れない恩恵に与っていた…と。そして、この意外なる出逢いこそがレンブラントという一人の天才画家を生み出したのだ。さて、本書は第一章「反古典主義者レンブラント」を皮切りに「レンブラントと盛期ルネサンス」「レンブラントとモニュメンタルな美術の伝統」「レンブラントとヴェネツィア派」「レンブラントと1400年代の美術」…と続き、目次を見ただけでも「これほどまでにレンブラントとルネサンスの関係は深いのか?!」と圧倒されてしまう程である。そして実際に読み進めてみると、成程、確かに関係は深いのである。私達が想像していた以上に…いや、考えもしなかった程に…。因みに、こうした二者の関連性や影響力に着眼した論説は、とかく証拠となるような資料に頁を割きがちであるが、本書は作品そのものに目を向けている所が面白い。例えば“反逆的なレンブラント”像については、彼の生涯の逸話よりも寧ろ、彼自身が描いた自画像のイメージを大切にしているし、また、特に影響が大きかったとされるティツィアーノについては比較対象となりうる数多くの肖像画を取り上げ、取り分け《ダナエ》がティツィアーノの作品の合成から成り立っている事を読み解いたりしている。更には《神殿への奉献》とラファエロの下絵に基いたマンカントーニオ《聖アンナと聖母子》の明らかなる類似性を指摘したかと思えば、その一方で、直接は踏襲しなかったものの、ダ・ヴィンチ《最後の晩餐》が彼に霊感を与え続けた事を示唆していたりもするのだ。いや、こうした大作ばかりではない。1400年代の無名の芸術家が描いたであろう(ウッチェロ派?)デッサンの活用に着目している所は、レンブラントが如何にこの時代の作品研究に熱心であったかという事を立証しているようでもあり、極めて興味深かったように思う。そして、何よりも本書が素晴らしいのは、確かにレンブラントはルネサンス芸術を自己の作品に巧みに取り入れはしたものの、決して過去の模倣だけには終わらなかった事を強調している点である。即ち、レンブラントは、ルネサンス芸術のあらゆる構図、モティーフ、表現の全てを自分のものとして消化し、新しく開花させたのだ。尚、本書は作品の比較分析が中心ではあるが、裏付けとなる資料にも十分目を通している。財産目録は言う迄もなく、当時エングレーヴィングが出回っていた事から、実際に目にした事がなくても容易に作品を知り得た事を論じているので、実証性にも富んでおり、作品解説や推論ばかりに偏っていない内容も充実度が高かったように思う。明快な論点と緻密な分析に加え、ケネス・クラーク氏ならではの解り易さが際立っている。本書を読めば、今までとは一味違った見地からレンブラントの作品に接する事が出来るのではなかろうか。レンブラントの新たな魅力を知り得る名著である。

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